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寒冷地の内窓ガラスの選び方とは|押さえたい3つの検討視点

寒冷地の内窓ガラスの選び方とは|押さえたい3つの検討視点

内窓を入れると決めても、ガラスの種類が多くて選び方が分からない。寒冷地だからとにかく高性能なものを選べばよいのか、それとも他に考えることがあるのか。

この記事では、寒冷地でガラスを選ぶときに押さえておきたい3つの視点を整理します。高崎市・嬬恋村・軽井沢など、当社が施工してきた地域の実例も交えます。

作成者 山﨑 隆徳(合同会社LINKS 代表) プロフィール

作成日 2026年9月9日 最終更新日 2026年9月9日 本記事は2026年8月時点の情報です 読了時間 約7分

ガラス選びで、最初に見る数値は何ですか?

日射熱取得率と熱貫流率の二つです。前者は日射熱の通しやすさ、後者は熱の伝わりやすさを示す数値で、どちらもガラスと枠の組み合わせによって変わります。

アルミ建具に一枚ガラスの場合と日射をさえぎるLow-E複層ガラスの場合の日射熱取得率を比較して示す図 図1 ガラスの種類による日射熱取得率のちがい 0.70 0.32 左=アルミ建具+一枚ガラス/右=日射をさえぎるLow-E複層ガラス。数値が小さいほど日射熱が入りにくくなります。 平成28年省エネ基準の規定値であり実測値ではありません。製品ごとに差があります。 出典:板硝子協会「ガラスの仕様と枠の種類に応じた窓の熱貫流率・日射熱取得率」

この二つの数値は、似ているようで役割が違います。日射熱取得率は主に夏の暑さに、熱貫流率は主に冬の寒さに関わります。寒冷地だから熱貫流率だけを見ればよいというわけではなく、両方のバランスで考える必要があります。

出典:板硝子協会「ガラスの仕様と枠の種類に応じた窓の熱貫流率・日射熱取得率」(平成28年省エネ基準の規定値)。

視点1:部屋の向きと、優先したい季節はどうですか?

南向きの窓は冬の日射を取り込みたい部屋、西向きの窓は夏の日射を止めたい部屋というように、向きによって優先すべき性能が変わります。まず窓の向きから確認していきます。

南向きの窓と西向きの窓でガラス選びの優先順位がどう違うかを対比して示す図 図2 南向きの窓と、西向きの窓で優先すること 南向きの窓 西向きの窓 冬は日射を取り込みたい 夏は日差しが高く遮りやすい 日射熱取得率を高めに残す選択もある 軒や庇との併用も考える 夏の日差しが真横から入る 庇では防ぎにくい 日射をさえぎる性能を優先しやすい 冬の日射は限定的 同じ「寒冷地」でも、窓の向きによって選ぶべきガラスの性質は変わります。 最適な選択は建物の周辺環境や庇の有無によっても異なります。 出典:合同会社LINKSの現地確認の進め方(2026年8月時点)

高崎市と嬬恋村で、考え方の重心が変わる

高崎市は夏の日差しの強さと冬の寒風の両方に対応する必要がある地域です。一方、嬬恋村や軽井沢のような標高の高い地域では、夏でも朝晩は涼しく、冬の冷え込みの厳しさがより際立ちます。同じ寒冷地向けの製品でも、どちらの季節をより重視するかで選び方の重心が変わります。地域の気候に合わせた窓の考え方は地域密着だからできる断熱提案にまとめています。

複層ガラスにも、種類がある

一口に複層ガラスといっても、中に挟む空気層の厚みや、アルゴンガスなどを封入したものなど、性能に差があります。ガラスとガラスの間の層が厚いほど、断熱性能が高くなる傾向があります。既存の外窓がどのタイプの複層ガラスかによって、内窓側にどこまで性能を求めるかが変わってきます。これも現地での確認が必要な項目です。

視点2:既存の外窓の状態は、どうなっていますか?

内窓を設ける場合、外窓との組み合わせで最終的な性能が決まります。外窓が単板ガラスなのか複層ガラスなのかで、内窓側に求める性能が変わります。次に外窓の状態を確認します。

外窓が単板ガラスのアルミサッシであれば、内窓側でしっかりと性能を補う必要があります。外窓がすでに複層ガラスになっている場合は、内窓側の性能をやや抑えて、コストと見た目のバランスを取るという選択もできます。この判断は、現地で外窓の仕様を確認しなければできません。カタログだけを見て内窓の製品を決めることはおすすめしません。

枠の素材も、性能と見た目に関わる

内窓の枠には、樹脂製やアルミ樹脂複合など複数の素材が使われます。樹脂は熱を伝えにくいため断熱性能で有利ですが、色や質感の選択肢はアルミに比べて限られることがあります。アルミ樹脂複合は、室内側を樹脂、室外側をアルミにすることで性能と耐候性を両立させる考え方です。ガラスだけでなく、枠の素材もあわせて検討する項目になります。

結露のしやすさも、ガラス選びに関わる

断熱性能の低いガラスは、表面温度が下がりやすく結露が出やすい傾向があります。結露に悩んでいる場合は、性能の高いガラスを選ぶことで表面温度が下がりにくくなり、結露の出方が変わることが期待できます。ただし、室内の湿度や換気の状況によっても結露の出方は変わるため、ガラスだけで完全に解決するとは限りません。

視点3:見た目と暮らし方の希望は、どちらですか?

断熱性能の高いガラスほど、見た目の選択肢が限られることがあります。色味や透明度、開閉方式の好みも、製品選びに関わってきます。

窓の向きを確認し、外窓の状態を見て、性能の候補を絞り、見た目を確認する4段階の手順を示す図 図3 ガラスを選ぶときの検討順序 STEP 1 窓の向きを見る 東西南北 優先季節を決める STEP 2 外窓を確認 単板か複層か 枠の素材 STEP 3 性能を絞る 日射熱取得率 熱貫流率 STEP 4 見た目を選ぶ 色・透明度 開閉方式 この順番で進めると、性能と見た目の両方を無理なく両立させやすくなります。 実際に選べる製品は、対象の窓の形状と現地の条件によって変わります。 出典:合同会社LINKSの進め方(2026年8月時点)

迷ったら、優先順位を先に決める

性能と見た目、両方を完璧に満たす製品が必ずしも見つかるとは限りません。そのときは、どちらを優先するかを先に決めておくと選びやすくなります。冬の寒さで困っている度合いが強いなら性能を優先し、リビングなど人目に触れる場所なら見た目を優先するといった判断ができます。

防犯性能も、あわせて考える項目

内窓を設けることで、窓が二重になり、防犯の面でも一定の効果が期待できるという考え方があります。侵入に時間がかかる構造は、犯行を諦めさせる要因の一つとされています。ただし内窓は防犯を主目的とした製品ではないため、防犯性能を重視する場合は、防犯ガラスや防犯フィルムといった専用の対策もあわせて検討する価値があります。断熱と防犯、両方の希望がある場合は、現地でご相談ください。

遮音性能も、ガラスの厚みで変わる

道路に面した窓や、交通量の多いエリアの住まいでは、遮音性能も気になるポイントです。ガラスの厚みや、複層ガラスの空気層の厚みは、断熱性能だけでなく遮音性能にも関わります。内窓を設けることで、既存の窓との間に空気の層が生まれ、音の伝わり方が変わることが期待できます。断熱を目的に内窓を検討している場合でも、結果的に静かになったと感じる方もいらっしゃいます。ただし効果の程度は、音の種類や窓の状態によって異なります。

内窓の追加は、後からでもできる

最初から完璧な選択をしなければならない、というわけではありません。まず1か所だけ試してみて、実際の効き方や使い勝手を確かめてから、他の窓に広げていくという進め方ができます。最初の1か所で選んだ製品が、必ずしも他の窓すべてに最適とは限りません。窓ごとに向きや使い方が違えば、製品を変えるという選択肢もあります。一度に完璧を目指すより、段階を踏みながら住まいに合った組み合わせを見つけていくという考え方でも構いません。

我が家のガラス選びは、どの視点を重視しますか?

当てはまる項目が多い視点ほど、優先して考える価値があります。下のチェックは診断ではなく、ご相談の前に状況を整理していただくためのものです。

ガラス選びの優先度チェック(6項目)

当てはまるものにチェックを入れてください。個人情報の入力はありません。

当てはまる数を数えて、下の早見表をご覧ください。

当てはまった数でみる読み取り方
当てはまる数読み取り方
0〜2個基本の性能から選んでも大きな問題は少ない状態です。
3〜4個窓の向きと外窓の状態を先に確認してから、製品を絞り込んでください。
5〜6個複数の条件が絡み合っています。現地確認のうえでご相談いただくのが確実です。

紫外線をさえぎる機能もある

一部のガラスには、紫外線を軽減する機能を持つものもあります。家具やカーテン、フローリングの日焼けを気にされる方には、この機能も選択肢の一つになります。断熱性能とは別の観点になりますが、暮らしの質に関わる要素として、製品を選ぶ際にあわせて確認しておくとよいでしょう。ただし紫外線対策を主目的とする場合は、カーテンや家具の配置など他の対策と組み合わせるほうが効果的なこともあります。

価格帯によって、選べる幅が変わる

ガラスと枠の組み合わせは多岐にわたり、価格帯によって選べる製品の幅が変わります。予算に上限がある場合、すべての視点を最高水準で満たす製品を選ぶことは難しくなります。その場合は、ご自宅にとってもっとも重要な視点は何かを一つか二つに絞り込むことをおすすめします。窓の向き、既存の外窓の状態、見た目や暮らし方の希望のうち、どれを優先するかを決めてからご相談いただくと、製品選びがスムーズに進みます。

見積りの段階で、複数案を比較する

現地確認のあと、複数のグレードの製品でお見積りをお出しすることもできます。性能を重視した案と、見た目や費用を重視した案を並べて見ていただくことで、ご自身のご希望がより明確になることがあります。一つの提案だけを見て決めるより、選択肢を比較したうえで判断していただくほうが、納得感のある結果につながると考えています。お見積りの内容について、ご不明な点があればお気軽にお尋ねください。

当社では、どんな考え方で提案していますか?

現地で窓の向き、外窓の状態、そしてご要望を伺ったうえで、性能と見た目のバランスが取れた製品をご提案しています。一つひとつの窓に、住まいに合った答えを出していきます。

高崎市の施工事例では、アルミサッシに単板ガラスという既存の窓に内窓を増設しました。色にはショコラーデGを選んでいただき、性能と見た目の両方でご満足いただける仕上がりになったと考えています。どの製品が正解というものではなく、その住まいと暮らし方に合った一つを選ぶという考え方です。

出典:高崎市の施工事例(冷暖房効率UP!電気代が気になる家にまるごと断熱・2026年8月確認)。プランの構成は窓断熱のページをご覧ください。

迷ったときは、サンプルを見る

カタログの写真や数値だけでは、実際の見え方や色味の判断が難しいことがあります。可能であれば、ガラスと枠のサンプルを実際に見ていただくことをおすすめしています。光の当たり方や部屋の照明によって、印象が変わることもあります。現地での打ち合わせの際に、サンプルをご覧いただきながらご相談いただくことも可能です。実物を見ることで、カタログだけでは分からなかった質感や透明度を確認できます。光の入り方は季節や時間帯でも変わるため、可能であれば異なる条件で見ておくと安心です。

既存の他の窓との統一感も考える

一部の窓だけを先に工事する場合、その窓のガラスや枠の色が他の窓と大きく異なると、見た目のちぐはぐさが気になることがあります。将来的に他の窓も同じ製品で揃える予定があるなら、最初の1か所を選ぶ段階でその先の統一感も視野に入れておくと、後悔が少なくなります。段階的に進める場合ほど、この視点は重要になります。

ガラスの選び方について、よくいただくご質問は?

高崎市・嬬恋村・軽井沢など群馬県内のお客様から実際に伺うことの多い質問をまとめました。住まいの状況によって答えが変わるものもあるため、判断は現地を確認したうえでご案内しています。

寒冷地では、とにかく性能の高いガラスを選べばよいですか?
一律にそうとは言えません。南向きの窓で冬の日射を取り込みたい部屋では、日射をさえぎりすぎるガラスがかえって不利になることがあります。部屋の向きと優先したい季節を先に決めておくことが大切です。

ガラスの色や見た目は選べますか?
製品によって選択肢の幅は異なります。断熱性能を優先すると見た目の選択肢が限られることもあります。現地でご要望を伺ったうえで、両立できる製品をご提案しています。

Low-Eガラスとはどういうものですか?
ガラスの表面に特殊な金属膜を施し、熱の伝わり方を制御するガラスです。膜の位置によって、夏の日射をさえぎるタイプと冬の熱を逃がしにくくするタイプがあります。

内窓と外窓、どちらのガラスを重視すべきですか?
内窓を設ける場合、外窓との組み合わせで性能が決まります。外窓が単板ガラスであれば、内窓側のガラス選びがより重要になります。現地で両方の窓の状態を見たうえでご提案しています。

高崎市や嬬恋村でも同じ考え方ですか?
基本の考え方は同じですが、高崎市と嬬恋村では冬の冷え込みの厳しさが異なります。地域の気候に合わせて優先順位を調整しています。

地域による選び方の違いは、実際どうなりますか?

高崎市・嬬恋村・軽井沢という当社の主な対応エリアでも、気候の条件は一様ではありません。同じ「寒冷地」という括りでも、実際の選び方には地域差が出ます。

高崎市は、夏の強い日差しと冬の乾いた寒風の両方に対応が必要な地域です。そのため、西向きの窓は夏の遮熱を、北向きの窓は冬の断熱を、というように窓ごとに異なる性能を求めることが多くなります。一方、嬬恋村や軽井沢のような標高の高い地域は、夏でも朝晩は涼しく、冬の冷え込みの厳しさがより際立ちます。こうした地域では、断熱性能を優先する判断がしやすくなります。当社は両方のタイプの地域で施工してきた経験から、それぞれの条件に応じたご提案をしています。

相談の前に、何を整理しておけばよいですか?

整理しておきたいのは、窓の向き、既存の外窓の仕様、そして優先したい季節の三つです。写真があれば、そのままお送りいただけます。既存の外窓の写真もあわせてお送りいただくと、より具体的なご提案ができます。優先したい視点を1つか2つに絞っておいていただけると、相談がスムーズに進みます。

7つの質問で、住まいの弱点を整理する

登録は不要です。質問に答えるだけで、どこに手を入れるとよいかの見当がつきます。

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